こんばんは。Kaedeです。
今後は出来るだけ週一ペースで何かしらのテーマを題材に、更新は続けていきます。
今週については私の最近聞いた音楽についてのレビュー等を4枚まとめて記載していきます。
内2枚がブラックメタルとメタル成分多めです。
- 目次
1.La'veil mizeria「S」
2.nea selini「Une pluie incessante」
3.Charlotte The Harlot / Androalphus 「Ab principio ad profunditatem」
4.SILENT HILL 2 ORIGINAL SOUNDTRACK -2024-
1.La'veil mizeria「S」
open.spotify.com
今絶滅危惧種となりつつあるコテコテなヴィジュアル系バンド、La'veil mizeriaの新作シングル。
曲名タイトルも歌詞のどのようにリンクしているのかよく分からないです。(この手のバンドはそれが良いのですが)
1曲目の認知症の英訳であるDementiaは初期Dir等を彷彿とさせる2ビートやラスサビの半音転調等90年代にやりがちな手法を全て使いながら今流に仕上げているのは素晴らしいと思います。
2曲目も2ビートを主体とした曲というのもあって、似た雰囲気の曲ではあるのですが合わせても7分を切っているということもあり非常に聞きやすい作品だなと感じます。
ミキシング、マスタリングもとても良く聞きやすいのでコテコテなヴィジュアル系を勧める際にはまずこれを聞かせるのが良い気がします!
ちなみにこのLa'veil mizeria、来年2月末の公演を持って無期限活動休止となるようです。
mizeria.jp
非常に残念です…
2.nea selini「Une pluie incessante」
neaselini.bandcamp.com
フランス在住の日本人の方がやっていらっしゃる一人ブラックメタルプロジェクトのアルバム。
このバンドを知ったきっかけはポストブラックメタル・ガイドブックを書いていらっしゃる以下のあちゃさんのツイートからでした。
フランス在住の日本人Yota Yajimaによるポストブラックメタルnea seliniの新譜。これがまあ凄いの何の、メロブラ的爆走感、淡いトレモロの幻想的な筆致、V系やJ-Popを吸い上げたわかりやすい主旋律の耽美さと言い、前作よりレベチな領域に達しています。NYP!https://t.co/iXkOShlYMS
— あちゃ (@yukinoyado333) 2024年12月11日
これを見て「メロディの旋律とブラックメタル、ヴィジュアル系が融合してるって本当か??」と思い聞くと本当でした。
ヴィジュアル系とブラックメタルの融合だとMadmans espritが挙げられます。あとは最近の明日の叙景もその要素はあるでしょうか。
私の所感ではありますが、現状ヴィジュアル系とブラックメタルの融合が一番クオリティ高く出来ているのはこのnea seliniなのではないでしょうか。
全曲かっこいいので興味がある方は是非一度聴いてみてください。特に6曲目の歌メロは個人的に凄く好みでした。
余談ですがこのプロジェクトの曲の雰囲気、下記の葬火と似てるなと思うのは私だけでしょうか…(違う人みたいですが)
okuribi.bandcamp.com
3.Charlotte The Harlot / Androalphus 「Ab principio ad profunditatem」
www.zdros.com
私のプロジェクトのアルバムも委託させて頂いていたりとお世話になっている、Zero Dimensional Recordsよりリリースされたブラックメタルバンドのスピリットアルバムです。
前半4曲を担当するCharlotte The HarlotはKobayashi氏がやっているワンマンブラックメタルプロジェクトであり、バンド名から分かるように非常にハードロック・NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)周辺に強く影響を受けたプロジェクトです。
1曲目は不穏な要素の方が強く通常のブラックメタルであればトライトーンを含むギターが鳴りそうな雰囲気を感じます。
しかし、2曲目の黒死病ではその要素は全くなくブラックメタルの要素としてあるバッキングギターのトレモロリフやブラストはありながらも基軸となっているのはリードギターによるメロディーであり、非常に聞きやすいです。
3曲目、4曲目の不幸の手紙、姥捨て山についても同様メロディアスなギターとバッキングトレモロリフが鳴り響く曲ではあるのですが、ハードロック的なリフの入れ方が上手くトレモロと使い分けて対比して違和感なく聞かせる点で凄く評価出来るなと感じました。
もう一方のAndroalphusはANGUIS DEIやAVSOLUTIZED…等で知られるUr Il Emdr CERVNとACODやMORTIFERA、BEYOND THE PERMAFROST等で活躍するSpektorの2名プロジェクトになります。こちらは前者とは異なりトレモロリフとブラストが鳴り響くファストなブラックメタルでした。
しかし、ファストなブラックメタルでありながらもギターソロはインストを除く全ての曲に入っていたりと共通点もしっかりあり、スピリットアルバムを出した理由が分かった気がしました。
ブラックメタルにギターソロがあれば最高という方には強くお勧め出来るアルバムだなと感じました。
4.SILENT HILL 2 ORIGINAL SOUNDTRACK -2024-
open.spotify.com
個人的には大名作であり美少女ゲームや小説など、別ジャンルの創作にも影響を与え続けているSILENT HILL 2のリメイク版のサウンドトラックです。
音楽についてもリメイク前の時点でグランジ、ポストロック、アンビエントが混ざった音楽性を持ちあわせていました。
この音楽性はDSBM(デプレッシブブラックメタル)に途轍もない影響を与えており、このジャンルにロックの要素が入った要因の一つなのではないかと考えています。
さて、リメイク版のこちらのアルバムはまず音のクオリティが上がったということが挙げられるでしょう。
打ち込み感あった音から一部を除いて生の音に代わっているなという点はアングラ感こそ薄まったものの、これはこれで良いとすぐに感じられました。
また、一部曲はリアレンジもされており、アレンジ前と比較しても双方謙遜ない出来であると感じられたのも特筆すべき点です。
個人的にはリメイク前の方が好きな楽曲の方が多かった(Overdose Delusion等)ものの、リメイク版の方が好きという楽曲もあったりと差別化がしっかりと出来ているなという印象がありました。
さて、4枚のアルバムについて改めて紹介しましたがもし興味が湧いた作品があれば各種リンクは貼ってありますので是非そこから聞いてみてください。
改めて見て下さりありがとうございました!